バカポエム

バカなポエムとバカな自由律俳句とその他色々を発表しています。

遺言

ぼくが死んだら ギターと一緒に焼いてください 貴方がぼくに 歌を教えてくれた 白いギターと かぼちゃワインのテーマソング を弾いてくれた あの白いギターと それから灰は 海に撒いてください 貴方がぼくに 小さい頃の話をしてくれた 青い海に ミニ四駆漫画…

短詩集Ⅰ

「自叙伝」 好きなボンド、木工用っしょ? と初対面のホストに 決め付けられた夜のことが 姉の自叙伝の第一章だった 「鼻歌」 機嫌のよい姉が 風呂場に響かせる戸川純 その歌声が今年も 裏の田の牛蛙たちの 性欲を刺激している 「オフィス」 姉の勤める会社は…

守る人

祖父ちゃんがこしらえた スケベくノ一風案山子 右手に持った 段ボール手裏剣が 妹の彼氏の目を突いた 春一番に 飛ばされて

タロット

山からおりてきた 大きなイノシシの牙が わき腹にぶっ刺さっている僕を見て 行きつけのスナックのママは 長い煙草をくゆらせながら <ほら、慌てないの> とタロットを切り始めた <いい女だなァ> と誰かが呟いて <ああ> と誰かがそれに応えて 僕は半笑い…

カムトゥゲザー

あいつは双子の弟で 親でもどちらがどちらかわからない 兄との区別をつけるため あいつの方だけ 山田五郎の髪型にされたんだ ほら見ろよ あいつが怒りの形相でやってくる あいつは放課後に 後輩の女の子に告白されたが あんまり驚きすぎて さっき保健室で入…

助手席から

ああ 穏やかな秋の日だ 柔らかい風が吹く交差点だ 囚人護送車の助手席で サングラスをかけた毛の長い犬が 開いた窓から顔を覗かせて 目の前を過ぎる人々を眺めている ああ 穏やかな秋の日だ

母よ

母よ 僕はきっと忘れない 初夏のある日の昼下がり 林の奥の病院で あなたが 「キン肉バスター!!!」 と叫びながら 弟を産み落としたこと 僕はきっと忘れない

ときめきの放課後

忍術の学校に通っていたとき 放課後誰もいない教室で 好きな女子の鎖かたびらを舐めて 腹を壊したことをふいに思い出した 妹の手裏剣で歯クソをほじっている最中に

春(延々と君は)

春の夜風が窓を鳴らす ひっそりとした部屋だ 二十人は居るというのに ひっそりとした部屋だ 体調の悪いゴリラのごとき踊り なぜ 送別会で延々と君は

春(山羊にあやまる)

あなたがくれたラブレター 読むどころか 開封するのも嫌だったから うちの山羊に食べさせたら お腹を壊してしまったの 謝って と好きな娘から 本気のクレームが入り 彼女の家の牧場へ 菓子折りを持って向かう丘の道 空はあくまで どこまでも青く 風に運ばれ…

報酬

監視カメラに映っていたのは 商品倉庫に毎夜現れ 試着品を着けて歩く 野武士の霊だった このブラジャー工場はその昔 古戦場だったらしい 住職は重い口をひらき 除霊を済ませたブラを鞄にしまった

ぶっかけて初夏

「じゃあちょっと在庫確認してみます」 と携帯で話しながら 我が家のトイレのドアを開けた フンコロガシに 消臭力をぶっかけて 初夏

春の雨

長渕剛の お気に入りのグラサンを僕らは キャベツにくるんで コンソメで煮込んでいた × お気に入りのグラサンが キャベツにくるまれて コンソメで煮込まれている ことも知らずに ご機嫌で筋肉を鍛える長渕の姿を 瞼の裏に 夢想しながら × 長渕剛の お気に入…

柿泥棒をした日には 手帳にハートマークを貼る そんな女子と付き合っている夢を見た なんだか幸せな夢だった

DJ

昨日 動物園に行きました 生まれて初めて イボイノシシの交尾を見ました というわけで今日のFAXテーマは 「大切な人とつながってるなぁ」 と思った瞬間!

五月のソネット

少し曇った五月の休日 湿った風につつましく揺れるヒルガオ アパートの階段を昇る足音 やがてチャイムの涼しい音 隣町からやってきた君の顔を ドアの隙間から覗いて僕は素直に 「チェンジで」 と告げた にもかかわらず 君はゴッドファーザーのテーマを 口ず…

ワカメの歌

なすすべもなく 乾かされていったワカメたちの 悔し涙で戻した 乾燥ワカメ 朝食には少し 塩っ辛すぎて 朝刊の一行が 涙で滲んだ

わたしのかちかち山

でっぷりと肥った禿げ社長が 愛人の細い腰を抱きながら 金歯をびかびか光らせながら 厚い唇を歪ませて にやにや笑いながら 悪いタヌキを言葉巧みに 泥舟に乗せて海へ沈めた 爺さんはとりあえずお礼を言った なんだか釈然とせぬまま

おとうさん

パンティをつくる こうぎょうようミシンの かぎのかんりを まかされたんだよ ぼくのおとうさんは そういって ふてきにわらいました ぢのくすりを おしりにぬろうとして ひだりかたを だっきゅうしたんだよ ひろしくんのおとうさんは そういって さびしくわら…

娘よ

娘よ たった一人のいとしい 娘よ 夏に生まれた 娘よ 普段は花屋の店員なのに ネットの世界では フェイスブックのプロフィール写真を見たアメリカ人に 宮本茂だと勘違いされている 娘よ 私は君に かける言葉が見つからないのだ

こころ

道端で財布を拾った僕の頭に 僕の中の天使と 僕の中の悪魔が現れ 激しい口論をはじめたその横で 騒ぎに驚いた 僕の中のマンモス西の鼻から うどんが飛び出す

聖なる森

青い丘を抜けた先 空と大地の調和が崩れる辺りに 古来より語り継がれてきた 聖なる森があるが 一年中霧に包まれているので 地元の中学生が エロ本をばんばん隠しに来るのだ

ウェディングアップル

海に投げ捨てた 思い出のリングを 「落としましたよ」と 届けてくれた びしょ濡れのボディービルダー 披露宴で 両親への手紙を読む私の横で 林檎を握りつぶしているのを見て やっぱり嫌いになった

沈黙の日

新聞の法廷画を見ながら食べていた カツカレーのシミが ちょうど被告の目の下に跳ねて まるで涙のように見えた瞬間 被告の無罪を確信したよ 自称ジャーナリスト志望で ニートの兄が 昨日渡したハローワークへの地図に ざらめ煎餅のカスをぼろぼろこぼしなが…

あけぼの

悟空が集めた 地球のみんなの気を 横から吸って 渡辺徹がどんどん太っていく そんな夢を見た 春のあけぼの

朝のソネット

目覚めると ベッドから落ちていて あばらにひびが 入っていた 夢の中で おっぱいを追いかけていた ところまでは 覚えている 今日は ハローワークが 休みだから 昨日の晩 しらずしらず はしゃいでいたのかもしれない

恩師

いなかの宴会場は 懐かしい人たちでいっぱいだ 三十年ぶりの顔ぶれは 変わったのもいれば 変わっていないのもいて 口をひらけばがやがやと騒がしく 白々と輝く部屋の灯りに 掌の皺はいっそう深い 八十を過ぎた恩師は 相変わらずの優しい目で 夜を湛えた窓を…

Party

蜷川幸雄が投げた灰皿で スイカが真っ二つに割れて 夏のビーチで パーティが始まる

LOVE

「きみがジョンならばぼくはポールではなくヨーコになりたい」と中島がカツオにつぶやいた午後太陽は眩しくて汗は苦かった

フォークソングス

(一) 安アパートのドアを軋ませて 背を丸め玄関に上がれば 空元気をぶら下げたぼくのともだちが 大騒ぎでクラッカーを鳴らしてきて 驚いたふりして顔を上げれば 吹けば飛ぶようなちゃちな飾りつけと 「血便止まってよかったねパーティー」 と書かれた垂れ…

聖夜

聖なる夜に。 雪が降り。 着飾った奴らが。 街へ出ていく。 マッチの灯が消え。 まぼろしも消え。 パンツ脱ぎかけの俺に。 童貞が戻ってくる。

あぜ道

首輪に油性ペンで “ハーレー”と書かれた雑種の老犬が 弱々しく喘ぎながら あぜ道を 都会の陰気な あぜ道を 老犬の前には あちこちをセロハンテープで補修した サングラスをかけた老人が 弱々しく口笛を吹きながら あぜ道を 『ワイルドで行こう』を吹きながら…

名も知らぬ花の歌

名も知らぬ木に 瑞々しい果実が 揺れている その木の下で いつかあなたと口づけを交わしたことがある 名も知らぬ花が 甘酸っぱい香りを 漂わせている その赤い花を いつかあなたの胸元に飾ったことがある 名も知らぬ木も 名も知らぬ花も 俺のひいじいさんの …

火事で焼け出された僕の横で 慌てて持ち出したダッチワイフが すっとんきょうな音を立てて萎んでいく その様を撮った写真を地方紙に送り お向かいの爺さんは 人生初の賞状を貰った イエーイ

水族館のソネット

近所の水族館は 光るクラゲの群れが自慢らしく ホームページにはクラゲの水槽を眺める 人々の写真がアップされている その人ごみの中に 女装した私の父と 父と腕を組む中年男性を見つけた 誰にも言えない秘密ができた 父も中年男性も 少年の目でクラゲを見て…

魔法少女・野村の妹

野村の妹は魔法少女 魔法のどくろに腰かけて 魔法の杖を磨いてる 野村の妹は魔法少女 魔法の壷を覗き込み 一日二回かきまぜる 野村の妹は魔法少女 市役所の裏に住んでいて 猿色の猫を飼っている 野村の妹は魔法少女 魔導書に煎餅のかすをこぼして おばあちゃ…

おなかをすかせた照英が

おなかをすかせた照英が にわのきをゆらしています はるのはなもゆれています おなかをすかせた照英も はるのかぜにさそわれて やってきたのでしょうか おとうさまもおかあさまも にこにこわらって殺虫剤を かまえています

巫女として 裸に布一枚で踊りながら 二人の男は 徐々に肉体を絡ませていく 燃え続ける炎の底には 静かな闇が沈んでいる 低く響く太鼓の音は 森の樹を荒々しく抱きしめる 巫女として 裸に布一枚で踊りながら 二人の男は 徐々に肉体を絡ませていく 互いの名も …

楽園より

眠らない歓楽街を背にして 長い長い影をつま先で蹴りながら 若い男がタクシーを拾う 寂しい財布は革のにおい 長い長いため息をついて 若い男は行き先を告げる <おっぱいが僕を裏切らない地へ> と

屁と科学

姉の屁 臭すぎて 庭の木苺は枯れ果て 姉の屁 臭すぎて 猿はバナナを剥く手を止め 姉の屁 臭すぎて 丸善で檸檬は爆発し 姉の屁 臭すぎて スイカの縞は剥がれ落ち 姉の屁 臭すぎて 国中の林檎が木からもげ落ち そしてニュートンが閃いた

手紙

午後の陽をたっぷり含んだ 喫茶店のソファの上で 人妻は手紙を書いている 少し尻上がりの小さな文字 去年から旦那に内緒で SM嬢のアルバイトをしています 最初は慣れないことだらけだったけど 近頃は常連さんもついてくれるようになって 仕事することの喜び…

青いネクタイをしめた自分の証明写真が 採用見送りの手紙とともにポストに帰ってくる 職安の担当者はたるんだ頬をひきつらせて これからですまだまだこれからですよと お経みたいに繰り返す これからですまだまだこれからですよ 喫煙所には砂が溜まっていて …

思春期

初めて書いたラブレターを 机の上に放ったまま 娘は家を飛び出した 外は雪が降り始めていた 吟味して買った便箋の柄と 父親のトランクスの模様が似ていたという それだけのことが 娘にはなぜか とても腹立たしかった

笹舟

笹舟にのって 小川をゆく アリが二匹 川下にある アリ用の SMクラブに向かっているのだ カマキリの攻めがすごいらしい

十五歳のソネット

ハローワークからの電話を無視して エロサイト巡りに興じる父の金玉を 母が踏み潰すのを見た 十五の朝 しょぼくれる全裸の兄と それを取り囲む警官たちの重みで 歩道橋が少したわんでいるのを見た 十五の夕暮 誰もいない放課後の教室 好きな子の縦笛を こっ…

ほら、照英が

ほら、照英が泣いている 海の夕陽が美しかった たったそれだけのことだけど でも、照英は泣いている ほら、照英が泣いている クロワッサンでラグビーの真似事をしていて叱られた たったそれだけのことだけど でも、照英は泣いている ほら、照英が泣いている …

地獄の門

すべての朝は闇に飲まれ すべての夜は炎に焼かれ 渇くことのない血が大地を満たし 地獄の門はひらかれた 空は裏返され 星は塗りつぶされ 罪深き私のために 地獄の門はひらかれた 片方の扉がぐっと引っ張られ その隙にホック状の金具が外され つまりブラジャ…

groove

ある朝目が覚めてみると 世界のすべてにミナミからのメッセージ 壁の色紙に <めざせカッちゃん、甲子園!> 揺れるカーテンに <めざせカッちゃん、甲子園!> 俺の額に <めざせカッちゃん、甲子園!> ベッドの下の男の斧に <めざせカッちゃん、甲子園!> …

父よ

父の屁に反応して コンビニの自動ドアが開いたのを 見たとき 父が 父の屁が なんだか遠い存在になってしまった気がした

マザー・グース

北島三郎 ちらし寿司を混ぜる 北島四郎 ちらし寿司を壁に飾る 北島五郎 ちらし寿司を助手席に乗せる 北島六郎 ちらし寿司の服を選ぶ 北島七郎 お母さんの再婚相手であるちらし寿司と うまくいってない