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バカポエム

バカなポエムとバカな自由律俳句とその他色々を発表しています。土曜日更新。

恩師

いなかの宴会場は

懐かしい人たちでいっぱいだ

 

三十年ぶりの顔ぶれは

変わったのもいれば

変わっていないのもいて

口をひらけばがやがやと騒がしく

白々と輝く部屋の灯りに

掌の皺はいっそう深い

 

八十を過ぎた恩師は

相変わらずの優しい目で

夜を湛えた窓を背に

僕たちをにこにこと見ていた

僕はビールを片手に立ち上がり

恩師の傍に腰をおろした

あの日のことを謝るために

 

三分ほど話した結果

恩師は僕の名前など

ぜんぜん覚えていなかったが

「花瓶を割ったのにシラをきり

それどころかウソ泣きをして

切り抜けようとした挙句

ウソ泣きに力が入りすぎて

勢い余って脱糞した少年」

というエピソードは

しっかり覚えていることがわかり

恩師も何か微妙な顔をしていたので

居酒屋の便所にウンコをして

流さずに帰り

泣きながら寝た

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