バカポエム

短いものを色々と。

超短編小説「テレビの人たち」

テレビの人たち 076

うちの牧場の牛の乳から作られたバターは、熱ではなく、ランジャタイの漫才を聞かせることで、溶ける。

テレビの人たち 075

山田五郎の形をしたネジ穴だらけの謎の機械が古代遺跡から見つかる。

テレビの人たち 074

閉園後の遊園地で、サバンナ高橋がメリーゴーラウンドの白馬の身の上話を聞いている。

テレビの人たち 073

ロバート秋山が差し出した冷たい水を、火星人が恐る恐る飲み込んだ。

テレビの人たち 072

ミッツ・マングローブの顔が描かれた標識だらけの山道に迷い込む。

テレビの人たち 071

私のおでこのほくろから生えている毛は、常に東京03の豊本がいる方角へ曲がっている。

テレビの人たち 070

あの夏、金魚すくいの屋台で堺雅人がとってくれた金魚が、地球よりも大きく育った。

テレビの人たち 069

よゐこの有野に触れたリトマス試験紙が、見たこともない色に変化していく。

テレビの人たち 068

石田ゆり子が夏の空で雲の味見をしている。

テレビの人たち 067

水道の栓をいくら捻っても、蛇口からはアンタッチャブル柴田の笑い声が流れてくるばかり。

テレビの人たち 066

伊藤沙莉が箪笥に雨雲をしまっていき、梅雨が明ける。

テレビの人たち 065

ミラクルひかるが紙風船を膨らませながら泣いている。

テレビの人たち 064

本田翼が投げた林檎が夕日にこつんと当たり、夕日に小さなたんこぶができた。

テレビの人たち 063

吉田鋼太郎が指揮棒を振ると、コインランドリーの洗濯機が一斉に回り始めた。

テレビの人たち 062

夜空の星々が少しずつ移動し始め、それらを結ぶと、ロングコートダディの兎の顔になる。

テレビの人たち 061

デスクに「みちょぱ」と書かれたメモを残して、課長が失踪した。

テレビの人たち 060

朝目覚めると右手に「コミヤ」と読める痣が出来ており、それ以来右手でテレビをつけると、必ず画面に三四郎の小宮が映っている。

テレビの人たち 059

布団をめくると、DJ松永が人体模型の心臓を抱いて眠っていた。

テレビの人たち 058

島田珠代が揺らしてくれている桜の木の下で、お花見をする。

テレビの人たち 057

廊下の電気を点けようと手を伸ばした瞬間、暗闇に立っていたアンゴラ村長の喉に触れる。

テレビの人たち 056

松重豊の背中に蝉がとまっていて、いつ鳴き始めるかわからない。

テレビの人たち 055

誰もいない夜中のオフィスの全てのプリンターが、一斉にあいなぷぅの写真を印刷し始める。

テレビの人たち 054

ケンドーコバヤシが、エロ本自販機たちの相撲の行司をしている。

テレビの人たち 053

その炊飯器は吉岡里帆のペットになった。

テレビの人たち 052

いとうせいこうが巨大な蚊取り線香の渦の上を、何かを思案しながら歩いている。

テレビの人たち 051

父が描いたサンシャイン池崎の絵が、夜な夜な涙を流す。

テレビの人たち 050

狩野英孝の手からしか餌を食べられないキリンが、サバンナに帰る夢を見る。

テレビの人たち 049

ある種類の深海のクラゲは、石原良純の笑い声に反応して光るのだという。

テレビの人たち 048

止まない天気雨の降る道を、ニッポンの社長のケツが異様に長い梯子を担いで歩いている。

テレビの人たち 047

今田美桜が砂時計をひっくり返した瞬間、はく製の白鳥の瞳に光が宿る。