2014-10-17 人魚 詩 あれはNOKKOの『人魚』だったのだ 彼が空き地で歌っていたのは あれはNOKKOの『人魚』だったのだ 「ボエ~」の声に耳を澄ませば あれはNOKKOの『人魚』だったのだ 大人になって僕らは気づいた あれはNOKKOの『人魚』だったのだ 「ボエ~」の奥のメロディライン 僕らはあの頃ただうつむいて 時が過ぎるのを待っていた 本当は誰かが 「何でその選曲だよ」と つっこめばよかったのかもしれない 「心の友」になれたのかもしれない リサイタルのポスターを剥がす 彼の背中の寂しさを 今さら僕らは思い出している