春(山羊にあやまる)
あなたがくれたラブレター
読むどころか
開封するのも嫌だったから
うちの山羊に食べさせたら
お腹を壊してしまったの
謝って
と好きな娘から
本気のクレームが入り
彼女の家の牧場へ
菓子折りを持って向かう丘の道
空はあくまで
どこまでも青く
風に運ばれた
干し草の匂いが
蝶の羽に散らされた
花の香りが
十七の春に
拡がっていく
あなたがくれたラブレター
読むどころか
開封するのも嫌だったから
うちの山羊に食べさせたら
お腹を壊してしまったの
謝って
と好きな娘から
本気のクレームが入り
彼女の家の牧場へ
菓子折りを持って向かう丘の道
空はあくまで
どこまでも青く
風に運ばれた
干し草の匂いが
蝶の羽に散らされた
花の香りが
十七の春に
拡がっていく