2015-08-22 茶柱の人 詩 吐血はウソだったけど 血便はマジだったんだぜ そう打ち明けてくれた君の瞳は やさしさとあきらめを見つめていた このごろ毎晩夢で 違うラッコにメガネを砕かれるんだ そう話した君の声は かなしみととまどいに揺れていた 底なし沼に君がはまった時 立ち泳ぎで必死に頑張る君の姿を ヘリから空撮した映像を見ながら ワイドショーのコメンテーターの女は 「何だか茶柱みたいですね」って言って スタジオはややウケていた 陽射しの柔らかい病室 そう伝えられた君の顔は ただしずかにうつむいて